親の終活、何から始める?元気なうちにやる5つのこと
1なぜ「元気なうち」がいちばん大切なのか
終活は、体調を崩してからでは間に合わないことが少なくありません。判断力や体力が十分にあるうちだからこそ、本人の希望を本人の言葉で残せます。逆に、何も準備がないまま「もしも」を迎えると、残された家族はどこに何があるのか分からないまま、手続きに追われることになります。
特に、銀行口座や保険、年金、スマホの中身などは「本人しか知らない情報」の代表です。元気なうちに少しずつ共有しておくだけで、家族の負担は驚くほど軽くなります。定年前後の60代から始めるのが、いちばん無理のないタイミングです。
2やることは、この5つでいい
終活の本は分厚くて、読むだけで疲れてしまいます。まずは効果の大きい5つに絞りましょう。
① お金の「在り処」を書き出す
どの銀行に口座があるか、証券やネット銀行はあるか。残高や口座番号まで細かく書く必要はありません。「どこにあるか」が分かるだけで、家族は手続きに進めます。何十年も動いていない休眠口座に気づくきっかけにもなります。
② 保険と年金を確認する
加入している生命保険・医療保険を一覧にし、受取人が誰になっているかを必ず確認します。受取人指定のある生命保険金は、相続放棄をしても受け取れる「受取人固有の財産」になる大切なものです。年金の種類も控えておきましょう。くわしくは もしもの時のお金ガイド をどうぞ。
③ 医療・介護の希望を伝えておく
延命治療をどうしたいか、介護はどこで受けたいか、かかりつけ医はどこか。急なときに家族が「本人ならどうしたいか」で迷わないよう、希望を言葉にしておきます。正式な書面でなくても、家族が知っているだけで大きな支えになります。
④ デジタルの情報を整理する
スマホのロック解除、月額のサブスク、ネット銀行――「本人しか分からないデジタル情報」は、もしもの時に家族を長く困らせます。ログイン情報の在り処を整理しておきましょう。くわしくは デジタル終活の記事 で解説しています。
⑤ 家族と「共有」する
いちばん大切なのが、①〜④を家族と共有することです。本人だけが書いて引き出しにしまっていては意味がありません。「何かあったらここを見てね」と一言伝えておくだけで、備えが生きてきます。
3「縁起でもない」と言われないための切り出し方
親に終活を勧めると「まだ早い」「死ぬ準備か」と嫌がられることがあります。切り出すときは、「もしも」ではなく「今の暮らしを整える」話として持ちかけるのがコツです。
- 「使ってない口座やサブスク、いっしょに整理したら気持ちいいよ」
- 「保険、いま何に入ってるか私も知っておきたいな」
- 「お母さんの昔の話や好きなもの、ちゃんと聞いておきたい」
不安をあおるのではなく、「一緒にやろう」という姿勢が、親御さんの心をやわらげます。
4完璧を目指さず、少しずつ
終活は一度で終える必要はありません。今日は口座、次は保険、と一つずつで十分です。書き換えもできます。大事なのは「始めること」と「家族と共有すること」。元気なうちの小さな備えが、いつか家族を大きく助けます。
手続き全体の流れを先に知っておきたい方は 手続きの期限カレンダー完全版 も参考になります。